
女性のためのわきがデオドラント【ラポマイン】

元々は顔面けいれんや眼瞼けいれん、斜視などの治療に使われるボトックス。美容外科の分野では、皮膚のシワを改善する治療法としても有名ですね。このボトックス注射をわきが治療に応用する技術について解説しましょう。
ボトックス治療は、ボツリヌス毒素Aを薬品化したものを注射などで投与するもの。
ボツリヌス菌の毒素は神経毒と言って、神経の末端に結合して神経伝達物質であるアセチルコリンという物質の放出を阻害します。神経の伝達が阻害されると、筋肉の麻痺などが起こるので、筋肉が不随運動を起こしてしまう、顔面や眼瞼けいれんを改善する治療に使われるのです。
このボトックスをわきが治療に応用すると、どのような効果があるのでしょう。
アセチルコリンは発汗を促す作用があるので、ボトックスを投与してアセチルコリンの放出を阻害すると、過剰な発汗を抑えることができます。ボトックスは、脇の下の悩みとしてわきが臭と並んで多い、多汗症に対して高い効果が期待できるのです。
脇の下のほかにも、例えば手のひらや足の裏のように、過剰な発汗で悩んでいる部分へ局所的にボトックス注射を行うことで、その部分だけの発汗を抑制することができます。汗と密接な関係のあるわきがの緩和にも、効果を発揮するというわけです。
ボトックス治療は手術とは違い、注射だけですので手軽に受けられます。わきの下などの気になる部分へ、1センチくらいの間隔で碁盤の目を書くようにボトックスを注射していくだけ。治療時間もわきの下だけなら10分程度と短時間で済むそうです。
注射されたボトックスは、交感神経の末端に結合し発汗を抑制。多汗症の悩みを改善できます。ボトックスを用いた治療の歴史は古く、危険性が少ないということが立証されていますので、安心して治療を受けることができますね。
ただし、ボトックスの効果は長くて半年程度。4ヶ月から半年でボトックスは体外に排出されてしまい、発汗抑制の効果が薄れてしまいます。
ボトックス注射は、多汗症の症状を一時的に緩和する方法ではありますが、根本から完全に治療する方法とは言えません。ですから、定期的に注射を繰り返すことが必要となってきます。
わきが治療でのボトックス注射にかかる費用は、使う薬剤の種類や注射部位によって変わりますが、だいたい安いもので60,000~70,000円程度、高いもので100,000円前後のようです。
また、わきが(原発性腋窩多汗症)のボトックス治療は、2012年11月から保険が適用できるようになりました。
保険適用でボトックス治療を受けた場合、費用は3割負担で30,000円くらい。
ただし、クリニックによっては保険が適用されないこともありますので、診療を受ける前によく確認しておくといいでしょう。
また、ボトックス注射のなかでも、保険の適用が受けられるのはわきの下への注射だけ。
手のひらや足の裏、その他の場所への注射は保険が適用されず、自由診療となるので、注意が必要です。
最後に、ボトックス注射を利用してわきが治療をするメリット・デメリットについて、簡単にまとめてみました。
〇他の治療法に比べて費用が安い
〇施術時間・ダウンタイムが少なく、手軽に治療が受けられる
〇大きな傷跡が残らない
〇多汗症状に効果がある
×効果が持続しないため、何度も治療を受ける必要がある
×トータルの費用は高くなる場合がある
×臭いを完全に抑えるものではない
ボトックス注射によるわきが治療は、手軽に治療をしたい人、わきがをどうにかしたいけど手術はちょっと…、という人や、わきがの臭いだけでなく大量の汗にも悩んでいる、という人に特におすすめです。